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2008年09月26日
 ■  宿屋めぐり

「宿屋めぐり/町田康」読了。
読み終えるまで1ヶ月もかかっちゃったよー。

いやいやいや、1ヶ月もかかったのには理由がある。

まず厚い。本の厚みが5cm近くある。故に重い。
この一ヶ月は結構仕事で電車乗ることも多かったんだけど、この本は重すぎてとてもじゃないがお出掛けのお供には向かない。
故に夜寝る前に数ページずつ読み進めるぐらいだった。

あと、夫が20世紀少年全巻とか大人買いしてくるもんだから、ただでさえ最近忙しくて夜しか本読む暇ないのに、こっちにも取られちゃったから、更に読む暇が取れなかったのよ!まったく気が利かない夫だわ。スカプン!
 

 
んで一番の理由。
話のとっかかりで「ん?」って引っかかって、しばらくなかなか作品世界に入り込めなかった。
だってね、あーた。聞いてよ。
主人公の鋤名彦名なる男が「主の命により大権現へ大刀を奉納すべく旅」を始めるところからスタートなのね。
で、相変わらずの町田節でぐだぐだ脳内で言い訳している主人公が進み出したかと思ったら、白いくにゅくにゅに包まれてしまって別の世界に行ってしまう。
へ?なに?くにゅくにゅ???
ここで私は何度も頁行ったりきたりしちゃった。
最初なんかの比喩なのか?主人公の妄想なのか?私がなんか読み落としたか?って思っちゃってさ。

そしたらその後は延々このくにゅくにゅの先の別の世界で話が進んでいくもんだから、私がくにゅくにゅ側に意識を到達させるのに時間が掛かったっちゅうか気持ちがついていかなかったってわけだ。

でも1/3を過ぎる位からどんどん面白くなってきて、後半は相当楽しんで読めた。
言葉のテンポも良いから、文章自体はすいすい読める。

嘘ついたり窃盗したり人殺ししたりしながら旅をする鋤名彦名だけど、都合悪いことは全部他人やらタイミングやらのせいにして、色んな言い訳にしつつ自分の行動を正当化する。
正義とか忠義とか立派な大義名分を掲げて自分のことしか考えていない。
なんつーか、人間の汚いところ、というか自分の中にもあるであろう嫌なところをこれでもかと見せつけれられているようで
とてもじゃないけど同情できない主人公だ。
えげつない残酷な描写もあるけど、文体が相変わらず面白すぎる。
で、わははわははって笑って読んでいると結構重いこと言ってたりするから油断がならない。
後半おばさんと入れ替わってからの展開は圧巻。
読み終えたらちょっと放心しちゃった。

うぐぐぐ。私のボキャブラリーが貧困で、魅力をうまく伝えられなくてもどかしいよ。
面白いのは間違い無い。
でも前作「告白」のほうが読みやすいと思う。
町田作品未読の方は随筆から入ったほうが良いかもしれない。
猫好きなら猫エッセイも書いてるからそっちが良いかもしれなくてよ。上から目線でごめんあそばせ。

でもさ、昔大ファンだった(って書くと軽薄な感じだ)ミュージシャンが、未だ媒体を替えつつも格好良く活躍しているのは嬉しいもんだね。
や、今も歌ってもいるんだろうけどさ。
太ったジョニーロットン見た時の哀しさったらなかったもんなw

そんな秋の夕暮れ。

投稿者 guri : 2008年09月26日 10:00

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